SDGsやESG、働き方改革など、当たり前のように耳にするようになった昨今。サスティナビリティ(持続可能性)向上につながる経済活動が全世界的に求められています。そこで、いま企業に求められるウェルネス経営とその実現に向けた取り組みについて、まとめました。
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サスティナビリティとは?
サスティナビリティが世界で提唱されるようになったのは、1972年スウェーデンのストックホルムで開催された「国際人間環境会議」がきっかけでした。
「世界全体で、美しい地球や私たちの生活を保ち続けるための設計や仕組みを考えること」を目指し、現在は、その一環としてSDGs(持続可能な開発目標)が掲げられました。
「経済・社会・環境」
その三つの側面の問題解決を目指して、国連を筆頭に全世界の企業、自治体が一体となって2030年の目標達成を目指しています。
関連用語として、企業にとって重要となる「CSR」や「ESG」についても、簡単にまとめます。
CSR
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、企業が果たすべき社会的責任です。
企業は、株主、従業員、顧客、地域社会など、ステークホルダーが増えるほど、社会的な影響力が増します。
そこで、企業の務めとして、利害関係者に対して、責任ある行動と説明責任を果たすことを求める考え方です。
ESG
ESGとは、環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の頭文字を合わせた言葉です。
環境や人権問題など、さまざまな課題に直面する社会背景の中で、2006年PRI(責任投資原則)が発足され、投資におけるの新たな判断基準としてESGの重要性がうたわれるようになりました。
ESGで行動基準が示されたことにより、企業だけでなく、投資家にも責任があることが明示されました。
企業は、ESGに積極的に取り組むことによって、投資家から高い評価を得られます。
さらに、企業価値の向上や円滑な資金調達などに寄与します。
ウェルネス経営の重要性と取り組み
サスティナビリティの必然性が求められる社会的背景から、いま、「ウェルネス経営」が特に注目を集めています。
ウェルネス経営とは、従業員の健康増進に向けて、会社をあげて取り組むことです。
働き方改革やストレスチェックの義務化など、従業員が長期的にはたらける環境づくりに取り組むことで、雇用の促進や投資家からの資金調達、企業の社会的評価が向上します。
健康経営とウェルネス経営の違い
健康経営では、従業員の心身の健康のみに着目されていましたが、ウェルネス経営においては、文字通りウェルネス、ウィルビーイングの考え方が尊重されています。
健康のみならず、社会的な幸福も重要視していることが特徴です。また、具体的な目標数値を設定することも、重要視されています。
最高健康責任者CWOの誕生
「CEO(最高経営責任者)」という言葉は、あまりにも有名ですが、最近では、「CWO」という役職もうまれました。
「CWO」とは、Chief Wellnes Officerの略で、最高健康責任者のことを指します。
健康への取り組みは投資にも関わる
経済産業省では、2015年から、健康経営銘柄の選定を開始しました。
企業が、従業員の健康投資を行うことで、業績や株価の向上につながると期待されています。
東京証券取引所の上場企業から、健康経営に優れた企業を選定し、投資家へ優良企業として紹介しています。
ウェルネス経営によるメリット
生産性の向上につながる
従業員の身体と心の健康問題が解決することで、作業効率や集中力、持続力の向上に期待できます。
また、労働環境の改善により、体調不良者のリスク軽減、求職者や退職者の発生を未然に防ぐことができます。
企業価値を高まり、ブランドイメージがアップする
従業員の健康に配慮している企業は、あらゆるステークホルダーからみてもクリーンな印象を抱かれます。
世界的な新しい取り組みに真剣に向き合う企業は、雇用促進、資金調達、新たなビジネスチャンス等、よき機会に恵まれます。
率先して牽引する社会のリーダーとして、企業の価値も高まります。
医療費の削減へ
従業員の健康保持ができれば、病院の利用回数が減るため、企業が負担する医療費の削減につながります。
いま、健康保険組合は、赤字の一途を辿っています。従業員の健康を保つ施策は急務と言えるでしょう。
ウェルネス経営を実現する空間づくり
ウェルネス経営において、重要となってくるのが、健康の維持と予防の観点です。
そこで、香りはざまざまな恩恵をもたらします。
良い香りで、心地いい、癒されるといったなんとも言えない気分になったことはありませんか?
この反応は、香りが心身に働きかけているからなのです。 香りは、特にホルモンや情動に影響を与えます。いまでは、研究が重ねられ、エビデンスも多数存在してます。
香り空間のメリット
ウェルネス経営の観点から、空間に香りがある事によるメリットをまとめました。
集中力がアップする
素直な感性の子どもたちに、アロマを活用した研究がされました。なんと、香りの活用によって20%以上も計算ミスが減少したのです。集中力が高まり、作業効率がアップすることが、この研究を通して伺えます。生産性の向上も期待できるでしょう。
また、始業時間に香りが空間に満たされることで、空間にメリハリがつき仕事へのスイッチの役割も果たしてくれます。
計算ミスがペパーミントでは23.8%、オレンジスイートでは27.3%減少したことが報告されています。また、ペパーミントの芳香浴後は、集中している、頭がスッキリしている、オレンジスイートの芳香浴後は、やる気がある、イライラしていない、頭がスッキリしているなど、有意な変化が認められた。
引用:熊谷千津,永山香織:「小学生の計算力と気分に与える精油の影響」(『アロマテラピー学雑誌』16 巻)2015, pp.7-14
ストレスマネイジメントに役立つ
香りの効果でストレスの軽減ができることが示唆されています。
香りで「癒される」と感じたことがある方は、理解しやすかもしれません。
実際に、香りは、自律神経を調整したり、脳の情動の機能に影響を及ぼします。
アロマテラピーで看護師のストレス、不安感と疲労感が軽減
ウェストバージニア大学が行った実験では、19名の看護師を対象に、精油を染み込ませたパッチを貼ったカードを4~8時間着用して勤務した前後の気分を調査。その結果、着用後にストレスが約50%、不安感と疲労感が有意に減少したことが確認されました。
引用:Marian E. Reven, et al.(2020)West Virginia University Oncology Nurses Don Aromatherapy Patches:A Pilot Feasibility Study. The International Journal of Professional Holistic Aromatherapy 8(4):7-15.
企業の印象がアップする
企業へ訪問した外部のお客様は、香りがあることで特別なおもてなしを受けた印象を抱きます。
オフィスに香りがあれば、従業員は会社から大切にされていることを実感できるでしょう。
『素敵な香りに包まれて仕事ができるなんて、素敵』そんな噂が広がれば、関係性のあるステークホルダーからの評価も高まります。
香りは、企業のシンボルとなったり、マーケティングとしても有効です。
香りは、五感の中でも、記憶と深く結びついているため、販売促進やブランドイメージの定着、売上アップなどに貢献します。
香りの種類によって、さまざまなイメージをもたらすことができるため、企業のブランディングにも役立ちます。
最後に
じつは、YOKIセレクトの代表 MAIは、元看護師・保健師で、専門は、予防医学です。
会社を存続させるためには、社会的信用度は非常に重要です。企業の成長のために、固有の企業理念はそのままに、いま新時代において新しい風を取り入れる必要があります。
香りというのは、予防医学の観点からみても非常に有効であり、ウェルネス経営の一助となるでしょう。
企業で香りを活用する場合、業務用アロマディフューザーが最適です。1台で850㎥をカバーでき、タイマーで自動で管理をしてくれるので、設置するだけで完結します。
今回、この記事を書くにあたり、個人的に思ったことがありました。
ウェルネス経営において、従業員の健康はもちろん大切です。
しかし、実際問題、経営陣の心身はボロボロであることがほとんどです。
次回は、このことについて、記事をまとめさせていただきます。
最後まで、お読みくださり、ありがとうございました。
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